福宮賢一

グローバル化の進展によって、あらゆる情報が瞬時に世界に伝わり、政治、経済、文化などに大きな影響が及ぶ時代を迎えました。そうした激動と混迷を深める奔流の中で、私たちは、直面する深刻な課題を解決することと同時に、明るい未来を展望し、そこに到達する道筋とを切実に求めています。このような状況下で、問題の本質を的確に捉え、最適な解決策を見いださなくてはなりません。そのための論理的な思考力こそ、グローバル社会で求められる素養の一つです。問題の所在を明らかにする優れた分析力、また原因と結果の関係を見極め、解決策を導く卓越した立案力。これらは、人文、社会、自然科学の分野を問わず、理論を基礎から確実に学ぶことを通じて、体得されます。他からの指示を待つのではなく、自らの夢の実現にむけ「主体的に学ぶ」ことを心掛けてください。そのことが、「学問する」ということです。 世界中の人々と、「平和と豊かさ」を共有し、共生するには、専門知識や語学のみならず、異文化理解や人類愛への共感など、豊かな教養に裏打ちされた「人間力」が必要です。新たに出会う「他者」との交流は、皆さんの学生生活を豊かにします。旺盛な好奇心を持って、多くを学んでください悪戦苦闘、疲労困憊を恐れず、チャレンジしてください。この不透明な時代にこそ、強くしなやかな「個」を養い、夢の実現をめざす意義は大きいのです。